6月に労働者が受け取った「現金給与総額」は去年の同じ時期と比べて4.5%増え、物価の変動を差し引いた「実質賃金」が27カ月ぶりにプラスに転じました。

 厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査」によりますと、6月に労働者が受け取った現金給与の総額は賞与の影響もあり平均49万8884円で、去年の同じ月と比べて4.5%増えました。30カ月連続の増加です。

 このうち、正社員らの基本給や残業代などの「きまって支給する給与」は2.3%増え、平均28万4342円と29年6カ月ぶりの高い伸びでした。

 消費者物価指数は去年の同じ月と比べ3.3%上昇しましたが、現金給与総額の伸びが上回り、物価の影響を考慮した「実質賃金」は27カ月ぶりにプラスに転じ、1.1%増えました。

 厚労省は「春闘の効果が一定程度現れているほか、去年に比べ、夏季賞与を6月に支給した会社が増えたことなどが影響した」と分析しています。

 そのうえで「一時的な可能性もある。今後の動向を注視していく必要がある」としています。

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