公正取引委員会の看板。公正取引委員会などが入る中央合同庁舎第6号館B・C棟で=東京都千代田区霞が関で2019年、本橋和夫撮影

 損害保険大手4社が企業・団体向け保険契約でカルテルを結んでいた問題で、公正取引委員会は5日までに、独占禁止法違反(不当な取引制限)による売り上げを認定して課徴金納付を命じる方針を固めた。課徴金は計1億5000万円に上る見込み。関係者への取材で判明した。

 納付命令を受けるのは、東京海上日動火災保険▽三井住友海上火災保険▽あいおいニッセイ同和損害保険▽損保ジャパン――の4社。関係者によると、4社は遅くとも2019年以降、企業・団体向けの保険契約でカルテルを締結。複数社が相乗りして災害時などの保険金支払いリスクを分散する「共同保険」を巡り、契約を仕切る「幹事社」が高額な保険料で契約できるよう調整するなどしていたとみられる。

 企業・団体向け保険では4社が約9割のシェアを占めており、こうした背景から各社の利害が一致し、不正が横行していた可能性がある。【渡辺暢】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。