覚醒剤や乾燥大麻を所持したなどとして、大阪府警は2日、2023年に中学3年だった15歳と16歳の2人を覚醒剤取締法違反や大麻取締法違反の疑いで逮捕したと発表した。2人は「大麻は販売目的で持っていた」と話し、1人が通っていた中学校からは大麻と覚醒剤が見つかった。これらの薬物を譲り渡したなどとして大阪府内の男子高校生(17)も逮捕された。
23年に男子中学生だった2人は、大阪府和泉市の別々の市立中に通っていた。府警少年課によると、男子高校生は16歳生徒と同じ中学の卒業生で、遊び仲間だったという。府警は男子高校生が入手した大麻を生徒2人が販売したり、客に運んだりしていたとみている。
15歳生徒が大麻を自宅に隠しているのを保護者が発見し、府警が23年10月に捜査を始めた。16歳生徒は通っていた中学の植え込みに大麻28・645グラムと覚醒剤の錠剤5錠が入った箱を隠していたことが学校側の通報で発覚。これらの捜査から高校生の関与が浮かび上がった。
府警の調べで、16歳生徒は男子高校生から直接、大麻を購入。SNS(ネット交流サービス)で大麻の購入希望者を探して販売していたとみられるという。15歳生徒は男子高校生の依頼で購入者に1グラム3000~4000円で大麻を届け、1回1000円程度の報酬を受け取っていた。
16歳生徒が隠していた覚醒剤も、男子高校生から無償で譲られたものと確認された。府警は提供元の男子高校生を5~7月、覚醒剤の無償譲渡や大麻の有償譲渡などの疑いで4度逮捕。自分でコカインを使用していたことも分かり、府警はこれらの薬物の入手ルートを調べている。男子高校生は黙秘しているという。
和泉市内では23年秋以降、別の中学生4人も大麻を隠し持っていたなどとして逮捕、書類送検されている。市教委の大槻亮志(たかし)教育長は「事案を重く受け止めている。各校で生徒の指導を徹底し、警察と連携して再発防止に努める」とのコメントを出した。【小坂春乃】
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