小泉龍司法相は2日、障害を理由に不妊手術を強制した旧優生保護法の規定を違憲とした最高裁判決を受けて、原告の被害者らと法務省で面会した。小泉法相は「多くの方々が心身に多大な苦痛を受けられたことについて真摯(しんし)に反省し、心から深く謝罪を申し上げます」と頭を下げた。
面会は被害者側の要望で実現し、被害者や代理人弁護士、支援者ら約90人が参加。新里宏二弁護士は一連の訴訟で国側が旧法の違憲性を認めず、訴訟を長期化させたことへの謝罪と速やかな全面解決を求める要請書を小泉法相に手渡した。
続いて被害者の北三郎さん(活動名)が「裁判の間に6人が亡くなっている」と訴え、飯塚淳子さん(同)も「最高裁判決まで6年以上。もっと早く責任を認めることができなかったのか」と問い掛けた。
小泉法相は法務省が先頭に立って偏見や差別の根絶に向けた政府の取り組みを進めていくと強調。一連の訴訟では被害者側と国側が和解する方向だが、不妊手術があったのかどうかが争点となっているケースもあり、小泉法相は「問題をクリアしていくように指示したい」と述べた。【三上健太郎】
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