外箱の側面下部に記された製造番号などが分からないよう、シールが貼られたヘアワックス=大阪市都島区で2024年7月31日午後1時34分、小坂春乃撮影

 サロン専売品と呼ばれるヘアケア用品の製造番号を隠して第三者に販売したなどとして、大阪府警は31日、名古屋市の美容関連商品卸売業「BOS」の実質経営者、加藤駿容疑者(32)=同市=ら男女5人を医薬品医療機器法違反(不正表示化粧品の販売など)容疑で逮捕したと発表した。メーカーが許可した美容室しか取り扱えない商品だったといい、府警は入手経路を分からなくするために製造番号を隠したとみている。

 ほかに逮捕されたのは、加藤容疑者の実妹で同社元代表取締役の林陽(みなみ)容疑者(25)=同市=や同社関係者ら。逮捕は7月10日付。

 ヘアケア用品は、大阪市旭区の「ナプラ」が製造するヘアオイルなどの「N.」(エヌドット)シリーズ。同社は協約を結んだ美容院にしか同シリーズの用品を販売・納品していない。加藤容疑者らの逮捕容疑は共謀して2~6月、シリーズの3製品の外箱に記された製造番号をシールで隠して保管。このうちヘアワックス計30個を男性2人に計約3万6000円で販売したとしている。

 医薬品医療機器法は健康被害が出た場合などに製造工程などを調べられるよう、製造番号の表示を義務づけている。

 府警生活安全特別捜査隊によると、加藤容疑者らはナプラ製品を扱う美容院に持ちかけ、在庫などを入手していたとみられる。BOSは同社のセミナーに参加して一定の金額を納めた会員に、入手した専売品を販売。会員らはインターネットなどで売っていたとされる。

 ナプラは「美容師が客の髪や肌の質を把握し、最適な商品を勧められるよう専売品にしている。製造番号がないものは健康被害が起きても対応が難しい。流通過程があやしいものは購入しないでほしい」と呼び掛けている。【小坂春乃】

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