暑さを避けるために日傘を差す歩行者=東京都足立区で2024年7月31日午後2時34分、朝比奈由佳撮影

 東京都内で7月1~28日に熱中症で救急搬送された人は3647人に上った。過去5年で搬送者が最多だった2023年の7月の1カ月間を上回っている。

 1日あたりの搬送者は、7月18日の梅雨明けから11日連続で100人を上回った。東京消防庁防災部の荻島浩二司令補は「暑さ指数でみると、昨年よりも早い時期から気温が上がっている」と指摘する。

熱中症などの119番に対応する東京消防庁の職員=東京都千代田区で2024年7月23日午後2時43分、朝比奈由佳撮影

 暑さ指数とは、熱中症の危険度を示す指標で、気温や湿度、日差しの強さから算出される。指数が33を超えると「熱中症警戒アラート」が発令される基準。31以上なら「運動は原則中止」、28以上なら「激しい運動は中止」などと5段階で表示している。

 23年の場合、初めて33を超えたのは7月10日だったが、今年は6月24日に超えた。23年7月の1カ月間で33を超えたのは5回だったが、今年は21日までで9回を数える。

 荻島司令補は「屋外はもちろんだが、日中に外で仕事やスポーツをして熱疲労がたまり、夜に自宅で倒れるケースもある」と指摘する。

 東京消防庁は、我慢せずにエアコンや扇風機を使用すること、こまめに水分と塩分を補給し、日傘で直射日光を避けるといった対策を呼び掛けている。

 熱中症患者の増加によって、救急出動の件数も増えている。1日あたりの出動数は3372件(7月8日)に上り、過去最多の3382件(18年7月23日)に迫った。

 ただ、通報の約2割は緊急性の低い内容だといい、同庁は「迷ったら救急相談センター(♯7119)への連絡や緊急受診ガイドを利用してほしい」としている。【朝比奈由佳】

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