水産庁は30日、資源減少が問題となっているサンマについて今年の漁期(8~12月)の来遊量予想を発表した。昨年と同様、低水準の来遊量になると予測。サイズが大きい1歳魚の割合は昨年並みだが、体重は昨年を下回ると見込んでいる。
サンマの1歳魚は6~7月に実施する資源量調査時に体長が27センチ以上で、8月以降の漁期中に29センチ以上になると予測されるもの。昨年の1歳魚の体重は100~120グラム台だったが、調査を行った「水産研究・教育機構」は今年はそれを下回ると予想。同機構の担当者は「かなり小ぶりだ」と説明した。
地球温暖化の影響による潮流やエサ環境の変化、乱獲などで、サンマの漁獲量は年々減少している。水産庁によると、2008年に35万4727トンだった漁獲量は徐々に減少し、22年には過去最低の1万8384トンにまで落ち込んだ。23年は約2万5800トンに回復したものの、低水準が続いている。また、サンマの成長が悪化しており、小ぶりになっている。
同機構によると、10月には北海道東部や北方四島周辺の海域、それらに隣接する公海に魚群が来遊して漁況は一時的に上向くという。しかし、さらに沖から来遊する魚群の量が例年よりも少ないと見込まれ、漁況は昨年より早い時期に悪くなる可能性があるという。【福富智】
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