九州最大の歓楽街・中洲(福岡市博多区)で、ホストクラブに関する相談が急増している。中洲を管轄する福岡県警博多署に寄せられた相談件数は、今年6月末時点で2023年全体と並ぶ約30件に上る。元ホストを逮捕する事件もあり、県警は25日夜、中洲にあるホストクラブ全店に一斉に立ち入り、風営法違反などがないか確認した。
25日午後9時ごろ、ホストの顔写真が貼られた中洲にある建物内に、捜査員が次々と入った。この日、同署中洲特別捜査隊員ら22人が、中洲にあるホストクラブ約30店に立ち入った。立ち入りは4回目だが、全店一斉は初という。
博多署は6月、元ホストの男性ら7人を職業安定法違反や売春防止法違反の容疑で逮捕したと発表した。大阪市でホストをしていた男性は女性客を中洲の性風俗店に紹介しており、「料金を払えなくなった女性を性風俗店に紹介することは当たり前」などと供述していた。
女性客に支払い能力を超える料金を請求して借金を負わせ、売春や性風俗店勤務を強いる「悪質ホストクラブ」の被害は社会問題化している。同署に寄せられる相談件数も急増しており「数回のホストクラブの利用で何百万円も請求された」「高額の利用料が払えずホストから性風俗店を紹介された」などの内容があるという。
25日夜の立ち入りでは、料金表示や18歳未満立ち入り禁止の掲示の有無など約10項目を調べた。同署によると、従業員名簿の中身に不備があるとして1件を行政処分予定という。
警察庁は23年11月、悪質ホストクラブの取り締まりを推進するよう全国の警察に通達している。同署中洲特別捜査隊長の森英和警部は「立ち入りを続け、店側と話し合いもしながら、いい街を作っていきたい」と話した。【宗岡敬介】
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