愛知県蒲郡市の東海道新幹線の保守用車両が衝突・脱線した事故の現場では、22日早朝から夜まで復旧作業が続いた。現場近くの新幹線沿線に住む住民らは「こんなことが起こるなんて」と不安そうな表情を浮かべていた。
現場はビニールハウスが並ぶ田園地帯で、線路のすぐ脇に民家も建ち並ぶ。JR東海によると、線路に敷くための石を積んだ保守用車両が名古屋市から豊橋市へ回送運転中、現場に停車していた別の保守用車両と衝突し、双方が脱線した。22日早朝から70人以上の作業員が復旧作業に当たった。
作業では、ショベルカーを使って破損した枕木を交換するなどして線路を整備した。その後、クレーン車などを用いて脱線車両を車輪がついた台車に載せ、線路上に運ぶ作業が続けられた。
現場近くの鉄橋は、報道関係者のほか、事故を知って駆け付けた住民らでごった返した。多くの人に見守られる中、衝突された側の車両が午後3時半ごろにようやく別の保守用車両に先導されて豊橋市の車両基地へ向かった。衝突した側の車両も同5時半過ぎ、別の車両に押されて移動を始めた。
現場近くに住む40代の主婦は「大きな音と振動で目が覚めた。地震かと思ってまた寝たが、朝になってニュースを知り、これだったのかと思った」と話した。現場に行くと、車両が脱線しているのが分かったが、既にけが人の姿は見えなかったという。「新幹線の沿線なので列車が通ると少し揺れを感じるが、いつもとは違った。乗客が乗っていたらもっと大変だった。こういう事故がないようにしてほしい」と話した。
住民の中には「寝ていて気付かなかった」という人も多かった。80代の主婦は「朝になって近所の人から聞いて驚いた。(沿線の住民として)こういう事故があるといい気持ちはしない」と表情を曇らせた。【永海俊、荒木映美】
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