ドラマ「セクシー田中さん」問題を巡り日本テレビと小学館が公表した調査報告書と原作の漫画「セクシー田中さん」=2024年6月24日、佐々本浩材撮影

 日本テレビが制作したドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子(ひなこ)さんが急死した問題を受け、日本テレビは22日、原作側との許諾契約書や脚本家との契約書の早期締結を目指すなどとするドラマ制作の新指針を発表した。漫画や小説などをドラマ化する際は、原則として放送の1年前には原作側と基本合意に努めることなども盛り込んだ。

 指針は、同社の社内特別調査チームが5月31日に発表した調査報告書を踏まえて策定。問題の背景には、ドラマ化の際に「必ず漫画に忠実に」などと求めていた芦原さんとの意思疎通不足があったため、原作者や出版社などとの意見交換の場を設ける。ドラマの脚本を巡って芦原さんと脚本家がそれぞれSNS(ネット交流サービス)で経緯を投稿し合って騒ぎが拡大したことから「SNS危機対応チーム」を作り、問題が起きた際は専門医や弁護士らと協力して事態把握や収束を図るとした。

 契約やSNS対策などについて社内外講師による研修を実施することも示した。また、「相談書」という形で、映像化する際の全体構成案・演出などを書面でやり取りすることや、SNS利用の注意を周知徹底し、社内外から相談可能な窓口を設置するとした。

 ドラマは昨年10~12月に放送され、今年1月に芦原さんが死去。5月に日テレが、原作の版元である小学館が6月3日にそれぞれ調査報告書を発表し、原作に基づいたドラマの制作や契約、SNSの在り方などについて見解を示していた。【諸隈美紗稀、井上知大】

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