大鳴門橋自転車道の起工式後、報道陣の取材に並んで応じ、交流拡大などの期待感を報道陣に述べる後藤田正純・徳島県知事(右)と斎藤元彦・兵庫県知事=徳島県鳴門市の「渦の道」で2024年7月22日午後2時48分、植松晃一撮影

 徳島県と兵庫県・淡路島を結ぶ大鳴門橋に自転車道を設置する工事の起工式が22日、橋を望む徳島県鳴門市の観光施設「渦の道」であった。式には後藤田正純・徳島県知事や斎藤元彦・兵庫県知事が出席し、サイクルツーリズム推進に貢献できるよう期待を述べた。総事業費は58億円(兵庫県30億円、徳島県28億円)で、2027年度に完成予定だ。

 自転車道は、橋の道路部分の下に将来の鉄道敷設を想定して準備された空間に整備する。全長約1・8キロ(兵庫県部分0・93キロ、徳島県部分0・87キロ)で、幅は標準部分で4メートル(自転車道2・5メートル、歩道1・5メートル)。自転車から降りて豪快な渦潮を眺めたり、鳴門海峡の風を感じながら押し歩いたりもできる。完成後は年間約9万人のサイクリストによる利用を見込み、瀬戸内海沿岸6県を自転車で巡る「セトイチ」のルート整備実現に向けた弾みにもなりそうだ。

大鳴門橋自転車道の起工式後、自転車道が整備される空間を管理用通路から視察する斎藤元彦・兵庫県知事(右から5人)や守本憲弘・南あわじ市長(同4人目)ら関係者=徳島県鳴門市の大鳴門橋で2024年7月22日午後2時42分、植松晃一撮影

 渦潮を眼下に見下ろす「渦の道」展望室であった起工式では、後藤田知事が「サイクルツーリズムの振興に取り組んでいく」、斎藤知事が「サイクルツーリズムの起爆剤になることを願う」などとあいさつ。出席者らは、橋が結ぶ鳴門市や兵庫県南あわじ市の市長らとともに、大鳴門橋の管理用通路を歩いて景観を目視していた。【植松晃一】

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