木原稔防衛相

 木原稔防衛相は19日の記者会見で、海上自衛隊の潜水手当不正受給問題で逮捕者が出ていたことは、「18日夜に報告を受けた」と述べ、一斉処分を公表した12日時点では知らなかったことを明らかにした。防衛省は18日午後の立憲民主党会合で明らかにしており、木原氏は野党側よりも把握が遅れたことになる。

 木原氏は「私にしっかり報告するのが文民統制(シビリアンコントロール)の要諦だ。要諦が守られていない恐れがあれば、由々しきことだ」と防衛省の対応を批判した。一方、自身の進退については「まだ防衛省・自衛隊の体質改善をやらなければならない。何がベストな選択かを考えた上で行動したい」と続投に意欲を示した。

 この問題で防衛省は、海自警務隊が元隊員4人を逮捕したことを公表していなかった。また、処分の実施日は「12日」と公表していたが、実際には同日以前の処分も複数含まれていた。

 警務隊が元隊員を逮捕したのは木原氏が防衛相就任後の2023年11月。木原氏は「逮捕まで報告を受けていれば、その時点で公表したと思う」と指摘。「今回の重大性を鑑みれば、逮捕した事実を含め把握できた内容はできる限り詳しく公表すべきだった」と述べ、増田和夫事務次官に経緯の確認や改善策をとるよう指示した。

 また、処分日を誤って公表したことについては、複数の処分日があることを事務方が記者らに「お伝えしているだろうと思っていた」と釈明。「適切な判断が行われなかったと考えている。国民に適切な情報発信ができなかったことを深くおわび申し上げる」と陳謝した。【中村紬葵】

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