防衛省の正門=東京都新宿区市谷本村町で2019年3月、本橋和夫撮影

 海上自衛隊員が潜水手当を不正受給していた問題で、防衛省は18日、海自警務隊が元海自隊員4人を詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使容疑で逮捕していたと明らかにした。うち3人は今月12日に発表した一斉処分に含まれていたが、逮捕については説明していなかった。海上幕僚監部服務室は「国民に対する説明責任があり、できるだけ情報を公表しなければならなかった。隠蔽(いんぺい)の意図はなく、反省している」と釈明した。

 この問題では2017年4月~22年10月に潜水艦救難艦「ちはや」と「ちよだ」所属の海自隊員が不正を繰り返し、不正受給額は4300万円に上った。

 同室によると、逮捕された4人は「ちよだ」に所属し、23年11月15日に1人、同16日に3人が逮捕され、4人とも不起訴処分(起訴猶予)になった。3人が23年4月と11月に懲戒免職になり、残る1人は22年6月に依願退職していたため処分されなかったという。

 また海自は18日、不正受給したとして65人を「7月12日付」で一斉処分したとする発表内容も訂正した。逮捕された3人がすでに免職されているのを把握していたが65人に含めており、「まとめて発表するため事務的なミスで誤った説明をしてしまった」と釈明した。基地内の食堂で代金を支払わず不正に飲食したとして処分された海自隊員22人についても同様に訂正し、うち15人の処分は「12日付」でなかったとした。【松浦吉剛、中村紬葵】

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