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 兵庫県知事に続いて長崎県知事にも疑惑が浮上しています。当時、最年少知事として当選した選挙戦で、不適切な金の流れが指摘されています。

■“政治とカネ”問題浮上…286万円「迂回献金」疑惑

長崎県 大石賢吾知事(当時39) この記事の写真 長崎県 大石賢吾知事(当時39)
「全世代の方々が安心して継続して生活できる。そんな長崎県の未来をつくってまいります」 541票差で“最年少知事”に

 おととしの長崎県知事選挙を制し、当時39歳で最年少知事となった大石賢吾知事。2位との差はわずか541票というまれにみる激戦でした。

 “世代交代”の期待を背負って2年。今、大石知事が直面しているのが“政治とカネ”の問題です。

 事の発端は先月24日の県議会。

田中愛国県議 田中愛国県議
「私たち仲間の議員後援会から286万円の記載があったんです。知事後援会が借りているんです。倫理性が求められているんですよ」

 そもそも政治資金規正法では、企業や団体から立候補者個人の団体への寄付は禁止されています。

 県知事選を1カ月後に控えたころ、医療法人など9団体が286万円を自民党の政治団体に寄付します。

 すると、この政治団体は同額を別の団体に寄付します。

 2つの団体の代表は、ともに長崎県議のX氏です。

大石けんご後援会収支報告書(2022年)

 大石知事の後援会の2022年の収支報告書です。

 X氏の後援会から286万円を借り受けたと記載があります。

2022年知事選直前の金の流れ

 団体から知事側へ直接は寄付していませんが、いわゆる「迂回(うかい)献金」なのではという疑惑を招いているのです。

「深く反省をしている」と話す大石知事 大石知事(42)
「貸借行為に違法性がないこと。寄付として受けた場合でも政治資金規正法の違法ではない。有権者、納税者の理解を得られないと指摘をされて、深く反省をしている次第であります」

 医療法人は、どういうつもりで自民党の政治団体に寄付したのでしょうか。

 番組が寄付をした側の医療法人すべてを取材すると…。

自民支部に寄付した医療法人
「大石さんが県知事に立候補されるということで、それを応援しようという気持ちで、献金というか寄付したつもりでございます。法人だったら、自民党支部(政治団体)にお金を納めれば、大石さんのためになるというような感じの書き方」 3団体が「知事本人への献金のつもりだった」と回答

 9つの団体のうち、少なくとも3団体が「知事本人への献金のつもりだった」と回答。寄付金の振込先に「政党支部の口座」を指定されたということです。

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■約40回「発言控える」 寄付に訂正するも

■約40回「発言控える」 寄付に訂正するも

 17日の会見で、大石知事は次のように述べました。

「コメントを控えたい」 大石知事
「(Q.専門家は違法な行為ではという指摘も?)認識も含めて、現時点でコメントを控えたいと思っております」
「(Q.法に抵触していない?)はい」
「(Q.脱法的と言われているが?)私の認識も含めて、話は控えたいと思います」 「発言控える」を約40回も繰り返した

 「発言を控える」と、およそ40回も繰り返した大石知事。

 事実上の寄付を借入という名目で届出していたことについては次のように話しました。

大石知事
「県議の後援会から286万円の借入金の記載がございます。 今般のご指摘を踏まえまして、弁護士と検討したところ、寄付として処理すべきという結論に至りました」

 収支報告書の「借入」を「寄付」に訂正するとしました。

 これについて県議のX氏は、番組の取材に対し次のように話しました。

県議X氏「収支報告書を訂正する話は聞いていない」 県議X氏
「収支報告書を訂正する話は聞いていない。訂正は双方の後援会の合意がないとできないので、今後、話し合いの場を設ける必要がある」

 大石知事の選対本部長も務めたX氏でしたが、知事から一方的に「訂正」の話を会見で出されたと主張します。

 寄付金の流れについては、こう説明します。

県議X氏
「陣営の選挙コンサルタントからの指示を受け、自民支部での受け取りなどを了承した。違法性はないと言われた」 日本大学 岩井奉信名誉教授

 専門家は「法をないがしろにする行為」と非難します。

日本大学 岩井奉信名誉教授
「一つひとつの行為は、合法なんですね。法律的には問題がないことになっているんだけど、全体的には迂回献金で違法行為と認定される可能性があります。(マネー)ロンダリングをしたと。(政治資金)規正法の趣旨をないがしろにしたと言わざるを得ない」

(「グッド!モーニング」2024年7月18日放送分より)

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