日本列島の広い範囲に飛来した黄砂の影響で、東京都心では18日正午過ぎ、かすんで視界が悪くなりました。気候変動が進むなか、専門家は、黄砂の量や頻度が今後さらに増す可能性があるとして警鐘を鳴らしています。


■視界不良 各地で…

西日本から関東の広い範囲に飛来した黄砂。東京と大阪では2日連続で観測されました。桜が満開を迎えた、岩手県盛岡市。公園では、春らしい陽気のもと、桜を楽しむ人たちの姿がありました。しかし…。

古川真之記者
「盛岡市中央公園の展望台です。日差しはかなり強く感じられますが、視界はかなり悪くなっていて、岩手山の姿を確認することはできません」

日本海側でも…。

山口史栞記者
「こちら福井市を見渡せる展望台です。黄砂の影響でしょうか。白くかすんでいて、遠くの山は見えづらくなっています」

男性
「外に出るときはマスク。室内に入ったら手洗い」
女性
「(Q.洗濯物は)干さない、外へは。家の中」


■中古車販売店も“悲鳴”

多くの台数を抱える中古車販売店も…。

ネクステージ福井店 阿部崇店長
「(黄砂は)今年の量のなかでは今が一番ピーク。先週までは、こんなにも目立つイメージは全然なかった。先週の金曜日に洗車して、今週の頭からはこういう状況」

洗車で気を付ける点を聞きました。

ネクステージ福井店 阿部崇店長
「シャワーの圧を強めにして、黄砂の場合はボディーに傷がつくので、まずは黄砂を洗い流す。十分に洗い流し、柔らかいスポンジで(水を)流しながら洗うと傷がつきにくい。濡れた布などで水をかけずにやってしまうと傷が入りやすい。絶対にやめた方がいい」

17日は、大陸からの黄砂が、西日本から北日本にかけての広い範囲に飛来。日付が変わっても留まり、少なくとも29都府県で観測され、東京と大阪では見通せる距離が8キロとなりました。今年の黄砂について、気象問題の専門家は…。

三重大学大学院 立花義裕教授
「3月は非常に中国大陸が暖かくて、雪が早く溶けた。暖かいので乾燥化。乾燥すると、より黄砂が舞い上がりやすくなる。黄砂が舞い上がった場所に強い偏西風の中心があり、偏西風の蛇行が東日本まで届きやすいように流れてきた。黄砂が日本列島全体に流れてくるような蛇行をしていた。今年は東京を含め、東日本や北日本に届いているので珍しい」

今後も注意が必要だといいます。

三重大学大学院 立花義裕教授
「温暖化に伴い、地面付近の温度が上がって乾燥化する。将来的には、黄砂がより日本に飛来する可能性が高い。回数も量も増える可能性がある」

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