栃木県那須町で、焼けた男女の遺体が見つかった事件。1人は東京・上野で飲食店などを営む実業家と判明していますが、女性の身元はまだ判っていません。警察に出頭した20代の男性は「飲食店をめぐって、男性とトラブルがあった」という主旨の話をしているということです。


■防犯カメラに「黒っぽい車」

亡くなった女性(40〜60代くらい)の頭部には複数の骨折が見つかり、鈍器のようなもので何度も殴られたとみられます。

警察は、周辺に設置された防犯カメラの解析を急いでいます。2人が遺棄された現場から2キロほど離れた住宅地にある防犯カメラには“黒っぽい車”が映っていました。

現場から2キロ離れた家の住人
「黒っぽい車。ワンボックスじゃない。普通の乗用車タイプ」

黒っぽい車が映っていたのは、遺体が見つかった日の、日の出前でした。重要なのは、黒っぽい車が1本しか道がない、遺棄現場の方からやって来たこと。

現場から2キロ離れた家の住人
「スピードは若干速かったのかな。(Q.明け方に車が通ることは)普通はない。あり得ないと思う。(Q.車も見かけないもの)見かけない車」

近くに設置された別のカメラにも、同じような黒っぽい乗用車が映っていました。そのカメラが現場の方に向かう車を捉えたのは16日午前4時10分ごろ。そして30分ほど後に、車が戻ってきたといいます。

もし、この車が事件に関わっていたとしたら、現場までの往復時間をのぞくと、わずか10分ほどで2人を遺棄して、火をつけた計算になります。車が走り去った約2時間後、2人の遺体が見つかり、事件が発覚しました。


■出頭の男性“飲食店めぐりトラブル”

17日に「事件に関係しているかもしれない」と出頭した20代の男性は、18日も任意での聴取が行われています。男性は、亡くなった宝島龍太郎さん(55)と「飲食店をめぐって、トラブルがあった」という内容の話をしていることが、捜査関係者への取材で新たに分かりました。

宝島さんは、焼き肉店や不動産業など多角的なビジネスを展開する実業家です。経営する飲食店が建ち並ぶ、上野の一角を「宝島ロード」と呼ぶ人もいます。

近隣店舗の従業員
「ここは激戦区ですから、バチバチの。店の前とか外とか、僕たちが帰るころに指示を出しているんじゃないかという素振りは見える。厳しそうな感じですね」
「最初お店は1軒か2軒。わずか2年ぐらいで、すごい急にこの辺全部、宝島さんの店になった。スタッフはほとんど外国人を使っている」

宝島さんの店で働いていた元従業員によると、夫婦で店を回るのが日課だったようです。

宝島さんを知る元従業員
「(Q.お店を回って何をしていた)大体、集金と会社での指示。集金はほぼ毎日。ずっと怖いなと思っていた。毎日毎日こんな大金を…十何店舗あるから何百万円」

警察は、事件に複数人が関わっているとみて、20代の男性以外の関係者からも事情を聴いて、捜査を進めています。

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