[沖縄県歯科医師会コラム・歯の長寿学](350)

 日本は超高齢化社会といわれ、少子化問題にも目を向けなければならない状況です。いま一度「子どもの歯」について見直してみませんか?

 沖縄県は子どもの虫歯の数が全国ワーストといわれ、数年が経過しています。「子どもの虫歯は、歯が生え替わるから放っておいてもいいでしょ」とお考えの方もいるかもしれません。けれど、虫歯の菌は生え替わる大人の歯(永久歯)にも感染し、増殖します。

 健康できれいな歯でしっかりかんで食事することは、体の成長や運動能力の向上が期待できるだけでなく、学習能力や成績アップなど脳の発達にも好影響が期待できます。子どもの口内環境の改善・維持はとても重要なのです。

 子どもが自分で歯を磨いた後に保護者や保育者がする「仕上げ磨き」は、小学4年生くらいまで必要とされており、就寝前の歯磨きが特に重要です。

 ジュースやお菓子を食べた後や食後には、お水やお茶で「ブクブクうがい」をすることも虫歯のリスクを減らします。外出先に水筒を持参するのもいいでしょう。

 保育園や幼稚園、学校や学童では近年、低濃度のフッ素が入ったうがい薬「フッ化物洗口」を行うことも有効とされ、普及しています。

 歯科医院では、虫歯治療の他に0歳から始める歯磨き指導やフロス(糸ようじ)指導、虫歯予防の歯のコーティング処置やフッ素を使用した定期的な口腔(こうくう)ケアなども行っています。歯並びやかみ合わせを診るクリニックもあります。

 学校健診などで問題ないとされていても、隠れた虫歯や歯茎の病気など、発見されていない問題があるかもしれません。一度、歯科医院で詳しく診てもらい、かかりつけ医を見つけてみてはいかがでしょうか。

 沖縄の明るい未来のために、子どもの健やかな成長のために、子どもの歯の健康についてじっくり考えましょう!(三浦崇史 サン歯科こども歯科クリニック=宜野湾市)

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