最も売れたあんこまんじゅうとしてギネス世界記録にも認定された博多通りもん

 75億9126万1769円。2018年の1年間に最も売れた「製菓あんこまんじゅうブランド」としてギネス世界記録に認定された金額だ。その商品とは、♪傑作まんじゅう♪のCMでもおなじみの福岡銘菓。人気の秘密とは。

 明月堂(福岡市博多区)が「西洋和菓子」として1993年に世に送り出した「博多通りもん」。「今までにないもの」を目指し、開発には3年を要した。オランダ語の「ゾンターク(休日)」にちなんで名付けられたという祭り「博多どんたく」で練り歩く姿や様子を表す博多弁「通りもん」が、菓子の名称となった。

 一番のこだわりはしっとりした餡(あん)。主原料のバターや生クリーム、白インゲンに良質のものを使ったことで口になじむ仕上がりに。試食した人が「これは傑作ばい」と驚いた一言が、CMにも使われた。

 パッケージは「当時はかなり珍しかった」という真四角の箱に、黄色い包装紙。「目につきやすい」「目新しい」と注目された。

 機内食にも出されたことで福岡空港、続いて博多駅などの店に並び、口コミで帰省客やビジネスマンらの手土産として売り上げは右肩上がりに。1日3000個売れれば採算ベースとされたが、半年で1日3万個に増え、ギネス認定の18年は年6400万個に達した。

 近年はピーク時で1日30万個超を生産。新型コロナウイルス禍に一時的な落ち込みもあったが、同社の売り上げの70%以上を占める看板菓子だ。3代目の秋丸真一郎社長(60)は「日本のあんこ文化へのなじみは薄くなってきており、若い人にもたくさん食べてほしい」と話した。【井上和也】

明月堂

 福岡市博多区東那珂2。1929年に「秋丸明月堂」として創業。52年に有限会社明月堂と改組し、94年に株式会社に。「博多通りもん」は福岡都市圏を中心に販売。1個150円。2001~24年に24年連続でモンドセレクション金賞受賞。うち07年以降の18回は最高位特別金賞。

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