大阪府警本部

 介護施設を利用していた高齢姉妹が資産約2000万円を口座から無断で引き出されたとされる事件で、大阪府警は17日、施設運営会社の元社長、西影由貴容疑者(38)=大阪市城東区=を詐欺容疑で再逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。姉妹が暮らしていた自宅や土地を売却し、代金を自分のものにしていた疑いがあるという。

 再逮捕容疑は2021年6月、80代の姉妹が住んでいた大阪市鶴見区の木造2階建て住宅と土地について、自分が買い取るとうそを言い、計600万円で売買させる契約を姉と結んだとしている。

 捜査関係者によると、容疑者は実際には住宅と土地を不動産会社に計800万円で売却。代金は自身で使ったとみられ、姉妹には1円も払われていなかったという。

 捜査関係者によると、姉は日常生活に車椅子が必要で、妹が移動の介助などをしていた。西影容疑者は「脚が悪いから(暮らすのに)不便だ」と語り、住宅などを売却するよう提案していたという。

 姉妹は西影容疑者の会社が運営していた通所型介護施設(すでに廃業)を19年から利用。西影容疑者は姉妹から財産管理を任されていた。府警は西影容疑者が言葉巧みに姉妹を信じ込ませて、資産を奪おうとしたとみている。

 姉妹は自宅が売却された後、西影容疑者の用意したマンションに転居。自由に使える資産がほとんどなく、電気やガスが止まることもあった。

 西影容疑者は、姉妹の生命保険を勝手に解約するなどし、口座から現金約2000万円を引き出したなどとして、業務上横領などの容疑で6月26日に逮捕されていた。【林みづき、斉藤朋恵】

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