福岡地裁=福岡市中央区で2021年5月27日、吉川雄策撮影

 国に登録せずに、シンガポールが拠点の「スカイプレミアムインターナショナル」社で外国為替証拠金取引(FX)への投資を仲介したとして、金融商品取引法違反(無登録営業)に問われた同社の当時の最高経営責任者(CEO)、斎藤篤史被告(45)=東京都中央区=に対し、福岡地裁は16日、懲役3年、執行猶予5年、罰金500万円(求刑・懲役3年、罰金500万円)の判決を言い渡した。武田夕子裁判官は「大規模に行われた無登録取引であり、極めて危険で悪質な犯行」と述べた。

 地裁は斎藤被告の他に、同社の幹部だった水島忍(60)▽高瀬正志(53)▽田中雅祥(42)――の3被告に対しても、それぞれ懲役1年6月、執行猶予3年、罰金500万円(求刑・懲役1年6月、罰金500万円)の判決を言い渡した。

 検察側は公判で、同社が約2万2000人から約1221億円を集めたと主張していた。判決は、斎藤被告らが組織化された多数の営業員を使い、投資知識の無い人たちを勧誘する際に「FXは安全で高利」などと説明させていたと指摘。しかし実際は安全性を十分に調べず、多くの投資者が同社に預けた多額の資金を出金できなくなる事態を招いたとし「無責任極まりない。営業活動を管理していた被告らは強く非難されるべきだ」と断じた。

 判決によると、斎藤被告は同社幹部らと共謀。金融商品取引業の登録を受けずに2019年12月~21年6月、SNS(ネット交流サービス)のアプリなどを使い、男女6人に対し、シンガポールのFX取引業者との契約を仲介した。【志村一也】

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