霞ケ浦に夏の訪れを告げる観光帆曳船(ほびきせん)の操業が21日に始まる。茨城県土浦市所有の帆曳船「七福神丸」「水郷丸2」は、ワカサギ漁が解禁される同日~10月14日の毎週末と祝日に操業され、漁の様子は随伴する見学船から見ることができる。
市などによると、帆曳船を用いた漁は1880年、シラウオ漁を目的として現かすみがうら市の漁師が考案。後にワカサギ漁にも用いられ、エンジン付きの船が普及する1967年ごろまで霞ケ浦での花形漁法だった。
湖上を渡る風を受けて白い帆(高さ9メートル、幅16メートル)を広げる帆曳船は、伝統漁法を後世に伝える役割を担う一方、土浦市の貴重な観光資源になっている。2018年に「国選択無形民俗文化財」に選定され、21年には船や漁法の保存活動が「第43回サントリー地域文化賞」を受賞した。
1日の記者会見で、今季の操業について発表した安藤真理子市長は「白い帆いっぱいに風を受け、湖面を進む迫力ある姿をたくさんの方にご覧いただきたい」と呼び掛けた。
土浦市が所有する2隻と同様に、かすみがうら、行方の両市にも各2隻あり、かすみがうら市は7月21日~11月17日の毎週日曜、行方市は9月28日~12月1日の毎週日曜(土曜は団体のみ)に随伴船(事前予約制、有料)を伴って操業する。
この他、特別操業として、8月4日は「土浦キララまつり」の催しとして土浦、かすみがうら両市の計3隻による合同操業、9月22日は行方を含む3市の計6隻による合同操業を予定。天候によっては操業できない場合もある。詳しくは、土浦市観光協会(029・824・2810)ほか各市観光協会などへ。【鈴木美穂】
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