相鉄グループ(横浜市西区)は、2023年度の電車・バスの駅や車内などでの忘れ物の件数を発表した。忘れ物は7万6328件で、前年度に比べて12・9%増えた。増加は3年連続で、コロナ禍が落ち着き、公共交通機関の利用が伸びたことが要因とみられる。【葛西大博】
忘れ物件数は、国内でコロナ感染が広がった2020年度は5万6542件で、現在の集計方法になった13年度以降、過去最低を記録した。その後、感染が下火になり、人の流れが復活すると忘れ物の数も増加。21年度は6万672件、22年度は6万7610件となった。
23年度の忘れ物のトップは傘で、1万5009件に上った。全体の19・7%を占め、1日平均で約41本が忘れ物として届けられたことになる。特に梅雨の時期の6、7月は件数が増加するという。
2位は現金(6512件)で8・5%。以下、袋(5134件)、生活用品(4350件)、携帯電話(4051件)と続く。
最近目立つのは、ワイヤレスイヤホンなどの音響関連品の落とし物だという。23年度は1905件で、前年度比で約1・3倍、10年前の約3・6倍に急増している。相鉄グループの広報担当は「ワイヤレスの普及や電子機器の小型化で、落としても気付かないケースも多いのでは」と指摘している。
忘れ物の返還率は、31・2%(22年度は31・7%)だった。3割以上の忘れ物は、落とし主に戻ったことになる。
忘れ物の問い合わせは、相鉄お忘れ物センター(045・391・5207)や各駅の窓口まで。
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