パワハラ疑惑を告発された兵庫県知事が会見を開き、「生まれ変わって責任を果たす」と辞任を否定しました。

■“パワハラ疑惑”兵庫県知事が会見

 波紋がさらに広がっています。

兵庫県 斎藤元彦知事(46)
「私の日々の業務の態度、やはり十分じゃなかったという面があるかと思います。それが私がこれからしっかり反省をして、改めていかなければならない面だと思いますから、そこから始めていくということですね」

 兵庫県の斎藤知事がパワハラなど7つの疑惑を内部告発された問題。その告発をした男性職員が7日に死亡。関係者によると、自殺とみられています。

 兵庫県職員でつくる労働組合は内部告発した男性職員が死亡したことを受け、10日、知事の辞職を求める申し入れをしました。

兵庫県職員労働組合 土取節夫中央執行委員長
「告発した職員を守ることができなかったことは痛恨の極み。文書問題の発生以来、職場の業務執行には大きな支障が生じている状況であり、もはや県民の信頼回復が望めない状況になっています。知事として取り得る最大限の責任を取っていただきたい」

 公務員でつくる労働組合が、選挙で選ばれた知事に決断を迫る異例の事態となっています。

■辞職要求に「生まれ変わって責任果たす」

斎藤元彦知事
「(Q.事実上の辞職要請になるが、斎藤知事の受け止めは?)組合の申し出については大変重く受け止めております。改めて現下の状況になっていることについては、県職員の皆様、そして県民の皆さんに対して大変申し訳ないと思っております。百条委員会や第三者委員会における調査を通じて、文書問題についての対応をしっかりやっていくということがまず大事だと考えています。そのうえで県政の立て直しをしていくということが、私にとっての責任だと思っていますので、その責任を果たすためにこれからもしっかりと対応していきたいと考えています」
「(Q.辞任されることはない?)職員の皆さんとの信頼関係の再構築を含めて私自身がやはり生まれ変わって、いい県政を進めていくという環境づくりを全力で取り組んでいくということが、私に課せられた果たすべき役割だと考えています」

■“7つの疑惑”兵庫知事が会見

 内部告発したのは元西播磨県民局長の60歳の男性職員です。報道機関などに送った告発文には、知事選を巡る違法行為疑惑や業者からの贈答品を巡るおねだり体質疑惑、県職員に対するパワハラ疑惑など、合わせて7つの疑惑が書かれています。

 この疑惑について斎藤知事は「事実無根」「嘘八百」だと主張。最終的に元幹部職員は告発が知事への誹謗(ひぼう)中傷にあたるなどとして停職3カ月の懲戒処分となりました。

斎藤元彦知事
「業務時間中なのに嘘八百含めて、文書を作って流すという行為は公務員としては失格ですので」

■「業務上必要な指導」パワハラを再否定

 ところが、パワハラ疑惑について告発文が「嘘八百」とは言えないことが分かってきました。

 その1つが、出張先の施設で入り口から20メートルほど手前で公用車を降ろされ、歩かされたことに腹を立て、職員らを叱責したことです。

斎藤元彦知事
「業務上の必要な範囲で指導等をさせていただいたということです。嘘八百という発言が強い言い方だったと、そこは反省しなきゃいけないという点はあります。自分のやってないこと、そして自分の思いとは異なることが書かれていたことから、ああいった発言になったということですけども、表現としては強かったというところは真摯に反省をしたいと考えています」
「(Q.現在の状況でも、あの文書を嘘八百だと言い切られるのか?)これから百条委員会や第三者委員会、そこで内容については調査がしっかりやられていくものだと認識してますけども、やはり私としては事実ではないというところが、一つひとつの項目に核心的なところで含まれていたと」

■元局長の死亡「心理的負担」と推察

斎藤元彦知事
「(Q.元局長がどうして亡くなられたかというのは誰にも分かりませんけども、知事としてはどのようにお考えでしょうか?)百条委員会への対応など心理的な負担、そしてプレッシャーがあったものと推察されます。どういった心理的な負担があったかということは、現時点では大変申し訳ないんですけども、分からないということかと思います」

 兵庫県議会は告発文の真偽を調べるため、強い調査権限を持つ百条委員会を設置。元幹部職員は19日に証言をする予定でした。

斎藤元彦知事
「(Q.『生まれ変わる』とおっしゃっていたが、具体的にはどういった姿を見せていこうと?)『ありがとう』であったりとか。『ご苦労さま』『いい内容だった』ということを言葉としてより丁寧に具体的に伝えていくと、心掛けていくということが大事なことだと考えています」

 厚生労働省は、悩みを抱えている人には1人で悩みを抱えずに「こころの健康相談統一ダイヤル」や「いのちの電話」などの相談窓口を利用するよう呼び掛けています。

▼「こころの健康相談統一ダイヤル」0570−064−556
▼「#いのちSOS」0120−061−338
▼「よりそいホットライン」0120−279−338
▼「いのちの電話」0570−783−556

▶「まもろうよ こころ」HP

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。