安倍晋三元首相が銃撃された事件から2年を迎え、発生時刻近くに現場付近で黙とうする人たち=奈良市で2024年7月8日午前11時半、山崎一輝撮影

 安倍晋三元首相(当時67歳)が参院選の応援演説中に銃撃されて死亡した事件は8日、発生から2年を迎えた。現場となった奈良市の近鉄大和西大寺駅前に設けられた献花台には多くの人が訪れ、安倍氏を悼んだ。集まった人たちは事件が起きた午前11時半ごろ、約1分間の黙とうをささげた。

 事件は2022年7月8日に発生。安倍氏は山上徹也被告(43)=殺人罪などで起訴=に後方から銃撃された。献花台は自民党奈良県連が7、8の両日に設置。安倍氏の遺影が飾られ、計約3000人が訪れたという。

 会社員の野村礼緒(れお)さん(49)は「ショックだったので現場に来るのは避けてきたが、2年のタイミングに合わせた。安倍さんはひたむきな政治家だったので残念だ」と語った。母親と訪れた女子中学生(14)は当時、下校中に「パン」という銃声を耳にしたという。「怖かった。選挙の期間中に事件を起こすのは良くない」と話した。

 当時、演説していた安倍氏の近くにいた奈良県議の荻田義雄さん(76)は「2発目の銃声で白煙が上がり、安倍さんが崩れ落ちる様子を鮮明に覚えている。道半ばで倒れられたのがつらいが、『見守っていてください』との思いで手を合わせた」と冥福を祈った。

 山上被告の裁判員裁判に向け、証拠や争点を絞る公判前整理手続きが進んでいるが、公判日程はまだ決まっていない。【木谷郁佳、川畑岳志、田辺泰裕】

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