学校(写真はイメージ)=ゲッティ

 高知市立長浜小学校4年生の男子児童が水泳の授業中にプールで溺れて死亡した事故を受け、市教育委員会は小中学校など全市立校で今年度、水泳の授業を中止することを決めた。7日開催した臨時の校長会で、松下整教育長が方針を伝えた。

 市教委は今後、第三者による委員会を設置し、事故を検証する。それを踏まえて、監視体制など水泳授業の在り方を見直す考えで、再開は来年度以降になる見通しだ。

 高知市では全ての市立小学校にプールがあるが、男児が溺れたのは、長浜小に近接する市立南海中学校のプール(水深114~132・5センチ)だった。

 長浜小は水泳授業開始を前にした6月4日、プール(同100~119センチ)のろ過設備を点検したところ、故障が判明。1~3年生は別の市立小学校のプールで、この小学校の受け入れ能力を超えた4~6年生は水深が10センチ以上深い南海中のプールを借りて授業することを決めた。市教委によると、長浜小の中村仁也校長や教員が南海中に出向いてプールを確認した上で、「4年生以上の授業は可能」と判断。市教委も了承したという。

 事故当時、プールには4年生36人のほか、教頭、学級担任2人の計3人の教員がいた。市教委によると、担任2人はプールに入って水泳が苦手なグループを指導。教頭はプールサイドに立って、泳げるグループを見守っていた。死亡した男児は小柄で、水泳が苦手なグループだった。プールの縁をつかんでバタ足を練習している時に溺れたとみられ、他の児童2人が見つけて引き上げた。教員3人は溺れたことに気づかなかったと話しているという。

 長浜小は保護者説明会を6日に開催予定だったが、直前になって取りやめた。正式な謝罪と説明を受けていないと遺族から指摘されたため延期したという。【前川雅俊】

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