広島県立広島大学院の江戸克栄教授は、西日本豪雨発生から6年となるのを前に実施した被災地住民の防災意識に関する調査結果を公表した。調査は発生直後から毎年実施しているが、避難場所の認知度や避難行動の意識に低下傾向がみられる。【井村陸】
防災への準備状況に関する設問では「自分の住んでいる地区の避難場所を知っている」と回答した人の割合は広島60・3%、岡山60・5%、愛媛59・5%。発生直後の2018年8月の調査と比べ、12・8~16・2ポイント低下した。
「もし避難の『指示』が出たら、避難すると思う」という設問に対して「思う」と回答した人は、広島41・8%、岡山54・2%、愛媛54%だった。岡山は6年前とほぼ変わらなかったが、広島と愛媛はいずれも約15ポイント低下した。
江戸教授は、避難場所の認知度の低下には、住民の入れ替わりがあると推察。「どのようにして新たな住民に避難場所をアナウンスするかが重要になってくる」と話した。
調査では、6年前に指定場所に避難したと回答した126人に対し、6年前に避難所で困ったことと、それらの項目が現在は改善されているかについても質問した。「風呂に入れない」は80%以上が6年前の困ったことに挙げたが、「改善していると思う」と回答した割合は25%弱にとどまった。「トイレが汚い」「飲食物が手に入らない」などその他の項目も「改善していると思う」と答えたのは50%に届かなかった。
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