6日の夕方から、関東地方を中心に天気が急変、各地で「ゲリラ雷雨」が発生しました。東京・渋谷区に設置されたエレベーター付近から勢いよく噴き出す雨水。排水が追いつかず、3つのマンホールから水が噴き出し、バスの高さの2倍以上まで達しているように見えます。アンダーパスも冠水。

(撮影者)
『タクシーやあちらの車両が水没しています』

渋谷駅周辺のビルの屋上では、何度も何度も水をかきだしている男性の姿がありました。

(田村浩一カメラマン)
『東京都東大和市です、非常に激しい雨が降ってきました。道路の一部で冠水が始まっています』

群馬県前橋市では、傘を持っていないため雨宿りする人たちや、タオルを頭に被せて歩く人たちの姿も。東京・練馬では、今年一番となる、1時間に33ミリの激しい雨を観測しました。

(撮影者)
『午後5時前の世田谷、急に雨が降ってきました』

横ぶりの雨が、住宅街に強く打ち付け、遠くで雷の音も響いています。JR池袋駅では、ホームの屋根から雨が漏れ出し、階段に降り注ぎました。渋谷のスクランブル交差点では、午後4時50分すぎからわずか10分で、嵐のような雨風となり、人が消えました。「ゲリラ雷雨」の影響で、河川も増水。東京の渋谷川・古川には、一時、氾濫危険情報が発表されました。6日の雨雲と落雷の分布を見てみると、午後3時から午後6時にかけて、関東の各地で雷が相次いで発生していたことがわかります。一方、東京都内では、府中市で35.5度を記録するなど、猛暑日となった地点もありました。品川区の戸越銀座商店街では、阿波踊りの威勢のいい掛け声が響き渡っていました。踊りが始まった午後4時ごろは小雨でしたが、踊りの掛け声を打ち消す激しい雷が。阿波踊りは、開始からおよそ1時間で急遽、中止に。その直後、雨脚が急に強まり、雹のようなものが混じっていました。

各地でゲリラ雷雨が相次いだ理由は、暑さで大気が不安定になったためです。6日、「熱中症警戒アラート」が出されていたのは、今季最多となる22都県。高知県四万十市では37.8度を記録するなど、全国132地点で猛暑日に、565地点で真夏日となり、真夏日は4日連続で500地点を超えました。7日はさらに暑くなり、群馬県高崎市では40度の酷暑となる予想も出ています。この暑さに停電が重なる事態も起きました。6日正午すぎ、東海道新幹線の静岡駅と掛川駅の間で停電が発生。乗客は3時間近く、空調も止まった新幹線の車内に閉じ込められる状態となりました。

(乗客)
『1時間たったあたりから、だんだんと暑くなり始めて、普通に息苦しさが出始めて、じゃっかん手が痺れてきたなとか…』

7月に入って初めての週末。6日は各地で海開きやプール開きも行われました。神奈川県大磯町の「大磯ロングビーチ」では…

(利用客)
『梅雨なので天気がどうかなと思ったんですけど、きょう晴れて、来られて良かったです』

ウォータースライダーは大人気で去年は90分並ぶこともあったと言います。そこで今年からは、新たな暑さ対策として、ウォータースライダーを優先的に利用することができるシステムを導入しました。

(大磯プリンスホテル 大磯ロングビーチ 布川史明 総支配人)
『少しでも炎天下でお客様の待ち時間を減らそうということで、今年から取り組ませていただきます』

埼玉県熊谷市の6日の最高気温は34.8度。4日連続で35度前後の猛暑となりました。

(熊谷市民)
『アイスとかかき氷とか常に食べてます』

サタデーステーションが見つけたのは、意外な光景でした。熊谷市内の牧場で行われていたのは、「牛の毛刈り」です。

(ブルーバンブーファーム 青木洋介さん)
『出来るだけ涼しくしてあげたいと思って』

乳牛は暑さに弱く、猛暑だと、1頭当たり1日で2〜3キロ乳量が落ち込み、収入の減少に直結すると言います。

(ブルーバンブーファーム 青木洋介さん)
『えさを食べなくなってきて、乳成分も下がってくるので、非常に経済的には損失が出てきます』

牛に水浴びさせるために使っているのは、なんと「高圧洗浄機」。

(ブルーバンブーファーム 青木洋介さん)
『気持ちいいんだと思いますよ。気持ちよくなければたぶん暴れると思うので』

36頭を飼育する牛舎の天井には、大型の扇風機26台が稼働していました。

(ブルーバンブーファーム 青木洋介さん)
『それでもやはり足りないとは思います。とにかく、この暑い時期を乗り切る、乗り切るしかないって思ってます』

なぜ、梅雨の時期にもかかわらず、連日の猛暑となっているのでしょうか?

(村上公平 気象予報士)
『例年の梅雨では揃いづらい、「5つの要因」が全て揃ってしまったことにあります』

例年この時期は、梅雨前線が停滞するため、雲が広がっています。しかし、今年は、真夏のように、「チベット高気圧」と「太平洋高気圧」に覆われ、雲ができにくい状況に。夏至前後の1年で最も強い日差しが、地上に照り付ける状況になりました。そこへ追い打ちをかけるように、山側から高温の風が吹き降りる「フェーン現象」も発生。さらに、南から真夏並みの暖気が入り込み、災害級の猛暑をもたらしたといいます。

(村上公平 気象予報士)
『7日もこの暖気がさらに強まる予想になっていて、関東や東海では、今年初めて40℃に到達するような、かなり厳しい暑さになる恐れがあります』

▶テレ朝天気

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