早いものでもう今年も半分が終わりました。この半年の間にたくさんのニュースがありましたが、皆さんちゃんと理解しているでしょうか?あのニュースは結局何だったのか、そして今どうなっているのか、ポイントを絞って解説してまいります。
■「katsu」は世界の共通語!?
今日本にはたくさんの外国人観光客が訪れていますね。今年は2月以降、毎月訪日外国人数が過去最高を更新しています。(同月比)そんな中意外な日本語が世界共通語となっていることをご存知でしょうか。
これまで「sashimi(刺身)」や「kawaii(かわいい)」などが世界でも普通に使われていることはご存知の方も多いでしょう。そんな中、世界で最も権威がある英語辞典と言われるオックスフォード英語辞典に今年新たに23の日本語が追加されたんです。一体どんな言葉でしょうか。
この記事の写真「kintsugi(金継ぎ)」「isekai(異世界)」「tokusatsu(特撮)」などありますが、多いのが「karaage(から揚げ)」「takoyaki(たこ焼き)」「tonkotsu(とんかつ)」など食べ物関連です。中でも「katsu(カツ)」の表記が多いですよね。カツ、カツカレー、とんかつ、とんかつソースと4つもあります。実は今イギリスで日本式カツカレーが大人気なんです。そのため普通にこの日本語が海外でもそのまま使われるようになったと言われています。
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■なぜ?実は低い稼働率…日本版ライドシェア■なぜ?実は低い稼働率…日本版ライドシェア
今年4月から、アメリカなど海外ではもう当たり前となっている、ライドシェアがいよいよ日本でも始まりました。ライドシェアとは普通免許の一般ドライバーが自家用車で客を運ぶサービスです。アメリカの場合はウーバーなど配車アプリに登録するだけで個人が自由に活動できますが、日本の場合はタクシー会社が運行を管理、指定の地域・曜日・時間、さらには規程の台数の範囲内でのみ利用可能となっています。
運転手のなり手がないなどでタクシーが不足していることから始められた日本版ライドシェアですが、始まって3か月。どのくらい稼働しているのでしょうか?
実は東京では1週間に約1万4000台のライドシェアが走っていいことになっています。しかし実際に稼働しているのはわずか4.2%。584台だけなんです。
神奈川県や愛知県、京都では2%にも満たない数字となっています。
あんなに待望論のあった日本版ライドシェアですが、どうしてこんなにも稼働率が低いんでしょうか?実はこんな事情があると言われています。
例えば東京ではあるタクシー会社に1万人以上のライドシェアドライバーの応募があったと言います。でもその後タクシー会社は研修をしないといけない。そのためなかなか採用が進まないということなんですね。さらに利用できる曜日や時間帯が限定されているのも原因と言われています。例えば観光客が多い京都市では、需要が多い、寺や神社がオープンしている日中の時間は使うことができません。
また、アメリカなどではライドシェアの方がタクシーより一般的に割安ですが、日本では同水準。ライドシェアにわざわざ乗るメリットがない、ともいえるんです。タクシー業界にしてみてもライドシェアが増えるとアメリカのようにタクシー利用が減ってしまいます。国土交通省としてもタクシー業界に配慮しつつ、タクシー不足解消のためにおそるおそる、いわば試験的に実施している、そんな感じになっています。
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■結局どうなった?自民党裏金問題■結局どうなった?自民党裏金問題
上半期度々ニュースになっていたのが、自民党の裏金問題です。でもパーティー券などで何か問題があったことは知っていても、結局これからどう法律が変わるのか、その結末を知らない方、多いのではないでしょうか。結局6月の改正政治資金規正法によってどう変わるのか、確認しておきましょう。
今回の改正で変わったのが、政治資金を集めるために会費を集めて開催される政治資金パーティーについてです。これまで誰がパーティー券を買ったのか、その公開の基準額が20万円を超える額でしたが、今回5万円を超える額、に減額されました。誰がどのくらいのお金をどの政治家に払ったのか、これをはっきりさせることでお金の流れを見えやすくしよう、という狙いですね。
でもこれには抜け道もあるんです。たとえばパーティーを何回も安い価格で開いたらどうでしょう。5万円以下のパーティー券で匿名のままたくさんのお金を集めることも可能です。さらにオンラインで開催した場合はそもそも購入者を公開する必要はありません。
そして政党から議員へ支給される「政策活動費」について、これまで使い道は非公開で報告の義務がなかったんですが、これからは10年後に領収書を公開することも決まりました。
これもまた「なぜ10年後なんだ?」「それでは意味がない」なんて言われています。10年もたてばなにがあったか忘れてしまいますし、そもそも政治資金規正法の時効は5年です。となるとたとえ不正が明らかになっても罪に問われない、そんな可能性すらあるんです。実際には穴だらけ、それが現実です。
こうして振り返ってみると意外と覚えていないニュース、多いですよね。これからも影響があるニュースもたくさんありますから、しっかりこれからを見ていく必要があります。下半期は楽しかったね、と言えるニュースばかりになってほしいものです。
(池上彰のニュースそうだったのか!!7月6日OAより)
上半期ニュースについての池上解説をもっと知りたい方はTVerへ!
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