障害者らへの不妊手術を強制した旧優生保護法(1948~96年)の規定を違憲とし、国の賠償責任を認めた3日の最高裁判決を受け、加藤鮎子こども政策担当相は4日、こども家庭庁で原告の被害者らと面会した。加藤氏は「真摯(しんし)に反省し、心から深くおわび申し上げる」と謝罪し、「判決で確定した賠償を速やかに行う」と明言した。
国側はこれまで「当時は適法だった」として責任を否定していたが、最高裁判決を受けて岸田文雄首相も政府として謝罪しており、被害者救済に向けて大きく動き出した。
被害者側は加藤氏に、政府や国会による謝罪▽全被害者に対する賠償、補償▽再発防止策の実施――を求めた。加藤氏は、岸田首相とともに月内にも被害者側と面会する意向を示した。
全国優生保護法被害弁護団の新里宏二共同代表は、「最高裁判決が出なければ(被害者救済を)決断できなかったのか。首相による速やかな謝罪を求める」と強調し、宮城県の原告被害者の義姉は「今後は(国が被害の責任を否定してきた)過去があったということをきちんと心において仕事をしてほしい」と訴えた。【遠藤大志】
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