通園バスに置き去りにされ、熱中症で女の子が死亡した事件。元園長への実刑判決に遺族は。
送迎バスの中に置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなった河本千奈ちゃん。
河本千奈ちゃんの父親(40)
「(Q.家族にとって千奈ちゃんはどういう存在だった?)主役です…。家族の主役です」
「(Q.それは今でも変わらない?)もちろんです」
おととし9月、静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で、当時3歳の河本千奈ちゃんが通園バスの中に置き去りにされ、死亡した事件の裁判。
静岡地方裁判所は4日、業務上過失致死の罪に問われた、当時バスを運転していた元園長の増田立義被告(74)に、降車確認を怠ったとして禁錮1年4カ月の実刑判決を、また、当時のクラス担任・西原亜子被告(48)には、千奈ちゃんがいないことに気付きながらも保護者への確認を怠ったとして禁錮1年、執行猶予3年の判決を言い渡しました。
國井恒志裁判長は千奈ちゃんについて「事件の教訓になるために生まれてきたわけではない」と時折、声を詰まらせました。
実刑判決を望んでいた千奈ちゃんの父親は。
河本千奈ちゃんの父親(40)
「実刑だと分かった瞬間には本当に…何も考えられない状況でした。妻とは手を握り合いましたね」
事件が起きた当日の牧之原市の最高気温は30.5℃。警察が行った実験では、車内の温度は一時45℃を超えていました。
千奈ちゃんはおよそ5時間、施錠されたバスの中に置き去りにされていました。
河本千奈ちゃんの父親(40)
「千奈ちゃんは本当に…私たちが経験したことがない苦しみを味わいながら亡くなったので『実刑になってよかったね』とは思えないです。やっぱり…『助けられなくてごめんなさい』と親としてはそう思うんじゃないでしょうか、皆さん。毎日、手を合わせる時には『ごめんなさい』と。『パパも大好きだよ』と『ごめんなさい』と謝るしかないですね」
判決を受け、増田被告は「千奈さんの慰霊、ご遺族への謝罪、償いを続けてまいります」とコメントしています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。