2019年の池袋暴走事故で妻子を亡くした松永拓也さん(37)らをSNS(ネット交流サービス)上で中傷したとして、警視庁捜査1課は4日、福岡市の交通事故鑑定人の50代男性ら2人を侮辱と名誉毀損(きそん)容疑で書類送検した。
捜査関係者などによると、他に書類送検されたのは、埼玉県川口市の50代男性。
書類送検容疑は23年11月19日、X(ツイッター)上に、松永さんを侮辱し、一般社団法人「関東交通犯罪遺族の会(あいの会)」代表理事の小沢樹里さん(43)の名誉を傷付ける内容の動画を投稿したとしている。
動画はライブ配信され、その後も不特定多数が閲覧できる状態だったという。
あいの会は交通事故の被害者遺族を支援する活動をしており、松永さんも参加している。松永さんと小沢さんが23年12月に警視庁に被害届を提出。警視庁は今年4月に交通事故鑑定人の男性の自宅を家宅捜索するなど捜査していた。
池袋暴走事故は、19年4月19日に発生。東京都豊島区の都道で、松永さんの妻真菜さん(当時31歳)と長女莉子ちゃん(同3歳)が乗用車にはねられ死亡し、9人が重軽傷を負った。
事故後、交通事故防止を訴える松永さんに対する一方的な批判や中傷が、SNSなどで相次いでいた。今年3月には、松永さんの殺害を予告する電話をかけたとして、無職の60代男性が脅迫容疑で警視庁に逮捕されていた。【岩崎歩、菅健吾、朝比奈由佳】
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