沖縄県で起きた、アメリカ兵による性暴力事件が公表されていなかった問題。これまでに判明した2件の他に、3件あることが明らかになりました。玉城知事は3日、官邸や外務省などを訪れ、政府に抗議しました。

沖縄県 玉城デニー知事
「何も手を打てないまま、これだけのことが実は起こっていた。もっと早く手立てを打てるところで打てなかった」

沖縄県に駐留するアメリカ兵による性的暴行事件。これまで明らかになった2件に加えて、他にも3件発生していたことが分かりました。5件の中には、16歳未満の少女を誘拐し、性的暴行を加えたとする事件も含まれています。

振り返れば、1995年には海兵隊員ら3人による少女暴行事件が発生。アメリカ軍に再発防止を訴え続けているにもかかわらず、事件は繰り返されてきました。そして今回。これまでと違うのは、政府も県警も事件を把握していながら公表せず、沖縄県にすら知らせていなかったことです。

沖縄県 玉城デニー知事
「県や地元自治体に一切の連絡がなく、結果、県として何ら対応を取ることができなかったことは極めて大きな問題」

本来であれば、在日アメリカ軍が関係する事件が起きた際には、政府から県に通報する仕組みがあるはずですが、上川大臣は…。

上川陽子外務大臣
「個別の事案ごとに公表するか否か、程度や方法を判断している。今回の事案が起きたことについて、個人的にも耐え難い思いでいっぱいでございます」

県に通報しなかったのは、プライバシーなどに配慮したためだと説明。判断の具体的な経緯については明かしませんでした。政府は今後、県との情報共有の在り方について検討を進めるとしています。

林芳正官房長官
「(Q.情報共有の具体的な方策の検討状況は)検討を終えていない現時点で、詳細について答えることは差し控えたい」

官邸と防衛省にも出向き、繰り返し抗議を行った玉城知事。最後にこう訴えました。

沖縄県 玉城デニー知事
「米軍の割合が多い生活環境のなかで、県民が常に不安にさらされていることが、人間の尊厳そのものが脅かされていることそのものである」

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