上川陽子外相(左)に抗議文を手渡す沖縄県の玉城デニー知事=東京都千代田区で2024年7月3日午後5時13分、渡部直樹撮影

 昨年12月と今年5月に沖縄県で発生した米兵による性的暴行事件を巡り、同県の玉城デニー知事は3日、外務省を訪れて上川陽子外相と面会した。事件に強く抗議するとともに、米軍による事件・事故について県への通報を徹底するよう要請した。上川氏は重大事件の情報共有のあり方について、関係省庁と検討を進める考えを伝えた。

 事件を巡っては、捜査当局から情報提供を受けた外務省が、起訴当日やその前段階で米側に再発防止を申し入れた一方、県や防衛省には伝えていなかった。

 玉城氏は面会で「県や地元自治体に一切の連絡がなく、極めて大きな問題だ」などと抗議。上川氏は「(県民が)政府の対応について不信感を抱いていることは大変重く受け止めている」とした上で「今後の重大事件に関する地元自治体への情報共有のあり方について、関係省庁としっかり検討していきたい」と述べた。事件防止の徹底を米側に申し入れる考えも示した。

 玉城氏はこれに先立ち、鬼木誠副防衛相、栗生俊一官房副長官とも防衛省などで個別に面会し、同様の要請を行った。【森口沙織、中村紬葵】

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