2018年7月の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町地区で3日、復興のシンボルとして整備された「まびふれあい公園」の開園式が開かれた。一時避難所などを備えており、普段は地域の憩いの場、災害時は地域の防災拠点として活用される。
公園は、西日本豪雨で堤防が決壊した小田川と支流の高馬川の合流点付近をかさ上げして造成した約4・5ヘクタールの土地に整備。設計は世界的な建築家の隈研吾さんが手掛けた。
公園内には、備蓄倉庫や防災学習などに利用できる多目的室を備えた建屋「竹のゲート」があり、芝生広場にはマンホールトイレや座面を外すと炊き出しができる「かまどベンチ」が整備されている。また、災害時にはヘリポートや駐車場として利用できるようにもなっている。
開園式には、関係者や地域住民約220人が参加し、伊東香織市長が「復興のシンボルの場、真備の魅力を発信できる場として、ぜひいろんなご利用をお願いしたい」とあいさつ。テープカットとくす玉割りには地元の幼稚園児も加わって開園を祝った。
式典後は伊東市長と隈さんが対談。隈さんは「防災と交流の両方の機能を持ったものを作れば、絶対に日本のモデルになるとデザインした」と強調。「このプロジェクトをやっていて、倉敷市民の『倉敷愛』の強さに驚いた。そんな皆さんからいろんな使い方のアイデアが出て、想像しなかったような楽しい場所になる予感がしている」と期待した。
同市は豪雨が発生した19年からの5年間を復興期間と位置づけて整備を進めてきた。公園の完成で、ハード面の事業は全て終えたことになる。【平本泰章】
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