最高裁大法廷は、障害者らへの強制不妊手術を認めた旧優生保護法の規定を違憲だと指摘した。最高裁による法令違憲の判断は戦後13例目。うち8件は2000年代に入ってからで、違憲審査を活性化させている傾向がうかがえる。
最高裁が初めて法令を違憲としたのは1973年。親や祖父母らを殺害した場合に、より重い刑罰を科していた尊属殺の規定を法の下の平等を定めた憲法14条に違反すると判断した。
70~80年代には、衆院「1票の格差」訴訟で公職選挙法の規定を2度違憲としたが、最高裁の法令違憲は極めてまれな判断だった。
しかし、2000年代に入ると様相は一変。「婚外子国籍確認訴訟」(08年)▽「婚外子相続格差訴訟」(13年)▽「再婚禁止期間訴訟」(15年)――などで相次いで法令違憲を示した。昨年も、性別変更をするためには生殖機能をなくす手術が必要とする性同一性障害特例法の要件について、憲法に反すると認めている。
最高裁が違憲とした規定は改正を迫られるが、今回、旧優生保護法で違憲とされた条項は、96年に母体保護法に改正された際に廃止されているため、見直しは必要ない。【巽賢司】
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