日本臓器移植ネットワークが療育手帳を持つ知的障害者の臓器提供意思表示を一律に無効とする運用をしていた問題で、移植ネットは1日「小笠原邦昭前理事長が客観的事実と異なる事実を周知した」と評価した弁護士らによる第三者委員会の調査報告書を公開した。
報告書によると、昨年12月に移植ネットの医療情報部長が厚生労働省に療育手帳所持者の臓器提供の可否を問い合わせ。厚労省は「知的障害者についてすべからく臓器摘出を見合わせることは求めていない」と伝えた。
移植ネットは2月22日、移植の調整を担う都道府県コーディネーターに周知したが、3月1日に小笠原前理事長が「厚労省より見解を改める連絡があった」とした上で「15歳以上の療育手帳所持者は知的障害者に該当するため、臓器摘出は見合わせること」と周知した。
小笠原前理事長の一連の対応について、第三者委は「客観的事実と異なる周知をした上で、厚労省の解釈と異なる解釈を周知した」と指摘。移植ネットの組織体制について「ガバナンスが機能していないことの証し」と批判した。(共同)
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