厚生労働省の有識者懇談会は、多様化する働き方に合わせて厚生年金の適用要件の見直しを提言する報告書を取りまとめる方針です。
厚労省は、国民年金に加入するパートなどの短時間労働者について、フルタイムで働く会社員などが対象の厚生年金への加入を促したい考えです。
有識者らは、現在「従業員101人以上」としている厚生年金の「企業規模要件」を「撤廃の方向で検討を進めるべきである」と明記する報告書を1日午後にも取りまとめる方針です。
新たに保険料が生じることになる労働者について、厚労省は将来の年金給付の上乗せや傷病手当金、出産手当金の受給などで労働者にとってもメリットがあるとして、制度の仕組みを分かりやすく発信していきたいとしています。
また、厚生年金に加入する他の要件として、週の労働時間が20時間以上であることと定めた「労働時間要件」や賃金が月8万8000円以上であることとする「賃金要件」などがあり、これらの見直しも提言されていますが、「企業規模要件の撤廃を優先して検討すべき」としています。
併せて、事業所の事務負担や保険者の財政運営への影響に考慮して、支援策についても検討が必要としています。
報告書は今後、年金部会などで議論され、年末をめどに結論を出したい考えです。
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