天皇、皇后両陛下は29日、英国の公式訪問を終え、政府専用機で羽田空港に到着された。滞在中、チャールズ国王夫妻ら英王室と親交を深め、留学先のオックスフォードでは懐かしい人々や景色と再会。両国の友好親善に尽くす人たちとも交流し、にこやかな表情と笑い声にあふれていた。
28日、オックスフォードを訪問した両陛下は、皇后雅子さまが学んだベーリオール・カレッジを訪ねた後、約40人が出席した昼食会に出席。天皇陛下はあいさつで「オックスフォード大学が私と雅子に与えてくれている比類ない豊かな機会と素晴らしい思い出をこれからも大事にしていきたい」とし「世界中から来ている学生や学者、研究者などがお互いに切磋琢磨(せっさたくま)し、日英両国のみならず、世界の未来を導き続けていくことを願います」と語った。
昼食会後には雅子さまの名誉学位授与式が行われ、雅子さまは陛下とともに赤いガウンをまとって式に臨んだ。宮内庁によると、式は伝統の作法で行われ「(雅子さまが学んだ)東京大やハーバード大のみならず、ベーリオールにおいても優秀な学生であった」などと授与理由がラテン語で読み上げられた。雅子さまは緊張した様子だったが、学位状を受け取るとほほえんでいたという。名誉学位は法学博士号で、陛下にも1991年に授与されている。
その後、両陛下は古い街並みが残る市内を歩き、陛下が留学したマートン・カレッジに到着。チャペルのそばに桜の木を記念植樹し、陛下が暮らした寮の部屋を訪ねた。
この日はオックスフォードに向かう道で事故による渋滞が発生。到着が予定より約40分遅くなった。休憩時間を短縮し、ほぼ予定どおり日程をこなしたが、天皇陛下が留学中によくジョギングし、散策を希望していた芝生の広がるクライスト・チャーチ・メドーは眺めるのみにとどまった。
両陛下は28日夜にブライズノートン空軍基地で政府専用機に乗り込む際、英国滞在中に車を先導したバイク隊員たちに歩み寄り、ねぎらいの言葉をかけ、握手を交わしていた。【山田奈緒】
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