福岡地裁=福岡市中央区で

 福岡市博多区のJR博多駅近くの路上で2023年1月、福岡県那珂川市の会社員、川野美樹さん(当時38歳)が殺害された事件で、殺人罪やストーカー規制法違反に問われた元交際相手の無職、寺内進被告(32)に対し、福岡地裁(冨田敦史裁判長)の裁判員裁判は28日、懲役20年(求刑・懲役30年)の有罪判決を言い渡した。

 起訴状などによると、寺内被告はストーカー規制法に基づく緊急禁止命令を受けていたのに、23年1月16日午後6時過ぎ、勤務先から帰宅する川野さんを待ち伏せするなど再びつきまとい行為をした上、同6時15分ごろ、博多駅近くの路上で川野さんの頭や胸などを包丁(刃渡り約24センチ)で多数回突き刺し、失血死させたとしている。

 寺内被告は初公判で、殺人罪については起訴内容を認めた一方、ストーカー規制法違反については「待ち伏せしたことは違います」と無罪を訴えていた。

 寺内被告は22年8月に面識のない男性を殴って重傷を負わせたとする傷害罪にも問われ、福岡地裁から24年3月に有罪の部分判決を受けていた。今回の裁判員裁判の判決は部分判決も踏まえて量刑が判断された。【河慧琳】

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