焼けた2人の遺体が見つかった現場周辺に張られたブルーシート=栃木県那須町で2024年4月16日午後4時12分、本社ヘリから幾島健太郎撮影

 栃木県那須町伊王野(いおうの)の河川敷で焼けた2人の遺体が見つかった死体遺棄事件で、県警が20代の男性から任意で事情を聴いていることが17日、捜査関係者への取材で明らかとなった。県警は複数の人物が関与したとみており、男性から慎重に事情を聴いている。

 捜査関係者によると、男性は17日に東京都内の警察署に出頭したという。

 また、県警は司法解剖の結果、死因は2人とも首を圧迫されたことによる窒息死などだったと発表した。遺体の状況から、殺害後に車などで2人の遺体を現場に運んで遺棄した可能性もあるとみて、殺人容疑を視野に調べている。

 県警によると、遺体のうち1人は住居・職業不詳の宝島龍太郎さん(55)。もう1人は、司法解剖の結果、女性と判明し、頭蓋骨(ずがいこつ)も骨折しているという。身長は約162センチで、40~60歳くらい。2人とも数日以内に亡くなったとみられる。

 捜査関係者によると、宝島さんらの遺体はともに頭に袋がかぶせられ、その上から粘着テープが巻かれ、手が縛られていた。ガソリンの携行缶のようなものが遺体の近くで見つかっており、県警は油をまいて遺体を焼いたとみている。

 県警によると、16日午前6時50分ごろ、通行人が河川敷で火が出ているのに気づいた。通行人から連絡を受けた人が近くの駐在所から通報し、駆け付けた署員が2人の遺体を見つけた。

 16日朝に連絡を受けて現場を訪れた地元の森林組合の60代男性は取材に「二つのマネキンのようなものがあり、火がくすぶった状態だった」と発見直後の状況を振り返った。男性によると、近くには黒く焦げた携行缶のようなものがあり、2人の遺体は足が重なり合っていたように見えた。既に遺体は焼けて黒くなっており、着衣の有無は分からない状態だったという。

 現場は那須町の中心部から約10キロ南東の山あい。福島、茨城との県境にも近く、リゾートホテルやゴルフ場などがある。【池田一生、藤田祐子、朝比奈由佳】

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