会社役員の宝島龍太郎さん（55）と幸子さん（56）夫婦に対する殺人容疑で逮捕された長女の真奈美容疑者（31）は、夫婦が飲食店を展開するために経営する会社の役員に就いていたが、1月に辞任していた。夫婦との対立が背景にあったとみられる。
捜査関係者によると、真奈美容疑者は学生時代に、事件を主導したとされる内縁の夫の関根誠端（せいは）容疑者（32）と知り合った。数年前に交際を始め、その頃から関根容疑者が夫婦の飲食店の経営を手伝うようになった。
真奈美容疑者は2014年以降、龍太郎さんが代表取締役を務める二つの会社で、幸子さんと共に取締役に就いていた。夫婦は飲食店のうち数店舗を真奈美容疑者の名義にしていた。関係者は「幸子さんは自分にそっくりな真奈美容疑者をかわいがっていた」と話す。
夫婦は、その数店舗の実質的な運営を関根容疑者に任せていたとみられる。一方、夫婦が店舗を拡大する経営方針だったことなどに対して、関根容疑者は不満を募らせていたという。
事件前の今年1月には、真奈美容疑者が夫婦の経営する2社の取締役を辞任。警視庁と栃木県警の合同捜査本部はこの頃から、関根、真奈美両容疑者が夫婦との対立を深め、殺害を計画し始めた可能性もあるとみている。
真奈美容疑者は逮捕前、捜査本部の任意聴取に対し、2社の取締役を辞任した理由を「子育てもあり、自分の会社をやりたいから辞めた」などと説明したという。一方で事件から約1カ月後の5月15日には、死亡した龍太郎さんに代わって2社の代表取締役に就任していた。【岩崎歩、菅健吾、朝比奈由佳】
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