法務省=本橋和夫撮影

 保護司制度の見直しを議論している法務省の有識者検討会は27日に会合を開き、大津市で保護司が殺害された事件を受け、保護司の安全確保策について意見を交わした。10月をめどにまとめる最終報告書に盛り込む方針。

 この日の会合は非公開で行われた。法務省によると、出席したメンバーからは、保護司の家族らが感じる不安への対応や、自宅以外の面接場所の増設を求める意見が出た。また、保護観察の対象者を複数の保護司で担当する仕組みの積極活用を指摘する声もあったという。こうした議論も踏まえ、7月の次回会合で具体策を協議し、報告書に新たな項目として追加する。

 全国の保護観察所は保護司への聞き取り調査を進めている。これまでに、保護司が不安を感じて保護観察官の担当に切り替えたケースや、「辞めたい」という申し出もあったという。

 検討会は2023年5月、現役の保護司や大学教授らで発足。保護司のなり手不足の解消に向け、24年3月に公募制の試行や新任時の年齢上限の撤廃を盛り込んだ中間取りまとめを公表したが、事件を受けて保護司の安全確保策が急きょ議論されることになった。【三上健太郎】

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