滋賀県の病院で入院患者の人工呼吸器を外して死なせたとして殺人罪で服役した後、再審無罪が確定した元看護助手の西山美香さん(44)が国と県に賠償を求めた訴訟の本人尋問が27日、大津地裁であった。西山さんは取り調べを担当した警察官に好意を抱いていたとし、呼吸器外しを自白したことについて「もう一度、警察官に近付いてほしいと思った」と説明した。
西山さんは懲役12年が確定して服役した後、再審無罪となった。再審判決は捜査段階の取り調べについて、西山さんの警察官に迎合する態度や好意を利用して自白を引き出そうとしたと認めた。
西山さんはこの日の尋問で、「服役してどのような影響があったか」と問われ、「恋愛や結婚、出産など女性として大事な時期を奪われた」と答えた。服役した後に無罪となった自らの経験を踏まえ、「いつかみんなの冤罪(えんざい)が晴れる日を願っている」と話した。
この訴訟では、西山さんを取り調べた警察官も5月に証人出廷しており、供述を誘導したか問われて「ありません」と否定している。【菊池真由】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。