群馬県庁=前橋市で、田所柳子撮影

 群馬県は27日、経済協力開発機構(OECD)が世界16カ国・都市で実施した調査の回答に含まれる個人情報を、4月に誤って機構のホームページに掲載していたと発表した。機構はすでに削除したが、日本から唯一参加した県内78校の高校1年生3528人を含む世界約6万人の回答のうち氏名以外の生年月日や親の職業などが一時見える状況だった。

 調査は、学力テストなどで数値化できない「社会情動的スキル」を把握するため、生徒が「テストに不安を感じる」「自分の見た目を気に入っている」などの質問に回答する内容。4月26日の第1弾の公表時に、県担当者が個人情報が見えることに気づき、機構に連絡。削除されるまでの約17時間に日中韓、フィンランドの計4カ国で9件ダウンロードされ、機構は特定した3件でデータ削除を依頼したという。

 機構は個人情報が侵害される可能性は低いとして公表していないという。了承を得て公表した山本一太知事は「大変遺憾。データの悪用防止や今後の適切な処理を機構に求めた」と話した。【田所柳子】

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