これまで働いている親でないと利用できなかった保育園。
2026年度からは、親が働いていなくても利用できる“こども誰でも通園制度”が全国で始まります。26日、具体的な制度づくりに向けた検討会がスタートしましたが、課題も見えてきました。
仕事の有無に関わらず、親にとって、子を安心して預けられる施設はかけがえのない場所です。
東京・多摩市にある園では、今年の4月から“こども誰でも通園制度”のモデル事業に参加しています。全国では115の自治体が参加していて、国は、この制度で育児の負担軽減などを図る狙いです。
“誰でも通園”を利用する人:「(Q.メリットは)アルバイトを始めて、少しの時間、子どもと離れることで、自分の時間を持てたり、気分転換になるので、ありがたい制度です」
この園の場合は、国や都から補助を使って、月160時間までの“こども誰でも通園”制度を実施しています。しかし、今回のモデル事業では、利用時間は月10時間としています。
26日に行われた検討会でも、利用時間など制度への指摘が相次ぎました。
夕方、お迎えの時間。
“誰でも通園”を利用する人:「同年代の友だちもいっぱいいるので、刺激をもらえるし、ありがたい。先生も子どものことを一生懸命、やってくれので、お給料上がってほしい」
“誰でも通園”を利用する人:「家具を動かしたりできなくて、そういうのは、きょういっぱいできた。スーパーでのお買い物も、いつもカートに乗せるんですけど、カートから降りたがったりすると、お買い物、進まなくなっちゃうので」
保護者から喜びの声があがる一方で、全国的な導入には課題も残っています。
国からの補助額は子ども1人につき、1時間850円。受け入れにかかる人件費や、環境整備のための費用を考えると、決して十分な補助ではないといいます。
緑ケ丘幼稚園・有馬篤樹園長:「まだまだ、実際、足らないです。保育現場では、(子ども)2〜3人に先生1人でいっぱいいっぱい。今後、もうちょっと人件費の補助を広げていただいて」
26日の検討会でも補助額の引き上げや、月10時間という利用時間の拡大などが議題に上がりました。政府は、12月に具体案を取りまとめる予定です。
緑ケ丘幼稚園・有馬篤樹園長:「前向きに新しいことがあるなら、まず、やってみて。そういう場や、機会を作ることが、保育施設にはますます必要」
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