歌舞伎町の視察を終え、報道陣の取材に応じる松村祥史・国家公安委員長=東京都新宿区で2024年6月26日午後8時6分、山崎征克撮影

 多額の売掛金(ツケ)を女性客に背負わせる悪質なホストクラブの問題を巡り、松村祥史・国家公安委員長は26日、「風営法の改正も含め、さらなる検討をするよう警察を指導していく」と述べ、法改正による対策に前向きな姿勢を示した。同日夜、ホストクラブが多くある東京都新宿区歌舞伎町を視察した後、報道陣に明らかにした。

 悪質ホストクラブを巡っては、女性客が売掛金の支払いのために国内外で売春をさせられることなどが社会問題化。立憲民主党は6月、ホストクラブなどが客の支払い能力に見合わない高額な債務を負わせることを規制する風営法の一部改正案を国会に提出していた。

 立憲は2023年11月にも、被害防止に向けて、相談体制の整備や啓発推進を政府に求める法案を提出していた。

 松村氏は26日午後7時半ごろから、売春の客待ちのため女性が集まる大久保公園周辺やホストクラブ街を、警視庁の新宿署長らの説明を受けながら視察。「警察ではあらゆる法を駆使して取り締まり、風営法に基づく厳正な処分をしてきた」としつつ「いま一歩踏み込んだ対策が必要と考えた」と述べ、風営法改正の検討について言及した。

 警察庁によると、ホストクラブは全国に約1000店舗あるという。全国の警察が1~5月に、女性客らを性風俗店で働かせるなどした疑いで摘発したホストは前年同期より11人多い24人だった。【山崎征克】

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