男性から性別を変更した女性の精子を使って生まれた娘2人を子どもとして認知できるかが争われた裁判で、最高裁がこれまでの判決を変更するのに必要な弁論を5月に開くことを決めました。
訴状などによりますと、男性として生まれた40代の女性は性別適合手術を受け、2018年11月に法的な性別変更が完了しました。
その数カ月前に、凍結保存していた精子を使ってパートナーが長女を出産し、2020年には次女を出産していました。
女性は自治体に対して娘2人の認知届を提出しましたが、受理されませんでした。
そこで、3人の親子関係が認められるための裁判を起こしました。
1審の東京家庭裁判所は判決で女性と娘2人は「血縁上の親子関係はある」としたものの、「法律上の親子関係を認めることは現行法制度と整合しない」と請求を退けていました。
しかし、東京高裁は「長女の出生時に女性はまだ法律上の男性であって親子関係の認知を請求できる地位にあった」として1審判決を破棄し、法的に女性は長女の父親であることを認める判決を言い渡しました。
一方で、次女については「生まれた時に女性の法律上の性別が変わっていたことから法律上の父ということはできない」として控訴を退けました。
この判決を不服として次女側が上告したことを受け、最高裁が当事者から意見を聞く弁論を今年5月31日に開くことを決めました。
弁論はこれまでの判決を変更する際に必要な手続きで、次女との親子関係を認めなかった判決が見直される可能性があります。
血縁上の父親が性別変更後に子をもうけた場合に、法的な親子関係が認められるかについて最高裁が判断を示すのは初めてです。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。