犯罪収益の資金洗浄(マネーロンダリング)に加担したとして大阪府警が摘発した「リバトン」グループに関連し、府警は21日、このグループ名を持ち出す特殊詐欺の電話が相次いでいると明らかにした。グループに不正利用されたとして口座番号を聞き出したり、指定口座に現金を振り込ませたりする手口で、注意を呼び掛けている。
府警は5月、富山市の会社「リバトン」の実質経営者ら13人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)などの容疑で逮捕。グループは約4000の法人口座を悪用し大規模な資金洗浄を繰り返していたとみられている。資金洗浄で報酬を得ており、犯罪収益の隠蔽(いんぺい)を専業とする組織の立件は初とされ注目を集めた。
府民安全対策課によると、東京都の40代男性に6月中旬、警視庁や府警の警察官を名乗る電話があった。男性は「口座がリバトングループに不正利用されている。あなたも容疑者だ」と言われ、口座番号や預金額、年収を聞き出されるなどした。
その後、「逮捕される可能性があるが府警本部に来るか、こちらが用意した調査用口座に資金を移動させるか」などと提示され、男性は府警本部へ。本部で来訪の趣旨を告げたところ、だまされかけていたことに気付いたという。
リバトングループを名乗る電話で、現金を振り込んでしまった例も確認されているといい、府警は「不審な電話はいったん切って、周囲に相談してほしい」としている。【小坂春乃】
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