2025年大阪・関西万博が開かれる大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)(此花区)の工事現場で3月に起きた爆発事故について、市消防局が出火原因を溶接機と判定した。同局が開示した消防記録で判明した。溶接中に飛んだ火花が地下にたまった可燃性ガスに引火し、爆発したと推定している。万博を運営する日本国際博覧会協会は24日に記者会見し、会期中の安全対策を公表する。
協会などによると、爆発事故は3月28日午前10時55分ごろ、パビリオン建設が進むエリアに隣接する工区で発生。トイレの建設工事中に爆発が起き、コンクリート製の床や屋根の一部などが破損した。けが人はいなかった。
消防局が5月下旬にまとめた火災実況見分・原因判定書によると、現場の損傷状況などから出火場所を地下ピット付近と推定して検討し、原因となり得る周囲の照明や電気配線に焼け跡がなかったことから、溶接機に絞り込んだ。溶接の際の火花の飛散状況や可燃性ガスの検知結果などを考慮し、溶接機の火花が可燃性ガスに引火したと結論づけた。一方、ガスの種類は特定しなかった。
協会は専門家の話などからメタンガスと説明。爆発事故後、隣接工区で測定したメタンガス濃度を確認したところ、1~3月に4カ所で低濃度のメタンガスが検出されていた。
爆発事故を巡っては、現場から消防への通報が発生から約4時間半後だったことや、施工業者が被害の一部を協会に報告していなかったことが明らかになっている。【鈴木拓也】
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