雨が続く梅雨の時期に多くなるのが屋根の修理詐欺です。番組は職人を名乗る男が巧妙なトークで不安をあおる映像を入手しました。
■“架空の工事”作り出し…法外な費用請求
頭に白いタオルを巻き、作業着風の格好の男 この記事の写真 男「こんにちは」 住人
「はい?」 男
「よかった、いらっしゃって!」
横浜市内の住宅で、インターホンを鳴らしたのは30代くらいの男。頭に白いタオルを巻き、作業着風の格好です。
男「ここ現場の通り(道)で、私、職人なんですけど、お母さん、結構言われると思うんですけど、ロックがかかってるじゃないですか。瓦の。瓦のロックがあるじゃないですか。あれって、いつ頃つけられたんですか?」 住人
「うち?わからない」 男
「えっ?ロックって全部かかっちゃってるので、ちょっと(屋根が)傾いちゃってるんですよ。ちょっと危なかったので、僕も別に…職人なんですけど、(リフォーム)やってほしいでなく、(危険な)場所だけ見てほしいんですよ。場所だけちょっと危ないところがあったので」 屋根に異常はなかった
「瓦が傾いている」ことを、心配して伝えに来たというのですが、「詐欺ではないか」と問いただすと、男は慌てて逃走。屋根を別の業者に確認してもらいましたが、異常はありませんでした。
架空の工事を作り出し、法外な費用を請求する“屋根修理詐欺”とみられます。
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■より巧妙な手口に…相談件数増加■より巧妙な手口に…相談件数増加
高齢の男性に話し掛ける男高齢の男性に話し掛ける、白と黒の作業着に地下足袋(じかたび)をはいた人物。この男もまた屋根修理詐欺を狙っていたとみられます。
「用意周到」 ツボイ塗工坪井邦夫代表(52)
「作業着風の上下、地下足袋風の服装で、用意周到だなと」
写真をSNSに投稿し屋根修理詐欺に注意を促しているのは、都内の外壁塗装の専門業者です。
詐欺の手口 自ら壊し、大規模な工事を取り付けるこの業者によると、詐欺の手口とは自宅を突然訪問。住人に「屋根が壊れていて修理が必要です」と声を掛け、屋根に上ると、自ら壊し大幅な修理が必要な状況にし「屋根をふき替えましょう」と大規模な工事を取り付けるというものです。
相談件数はこの5年間で4倍以上に増加国民生活センターに寄せられる屋根修理詐欺に関する相談件数は、この5年間で4倍以上に増えています。特に注意が必要なのが…。
坪井代表「この時期が一番多いのかな、屋根に不具合が生じると心配になる時期なので、やっぱりそこを突かれていると思う」
屋根修理詐欺の被害は、雨漏りが心配になるこの時期、特に増加すると言います。詐欺業者が現れたという都内有数の高級住宅街を取材すると、このような声が聞かれました。
出没する業者に不安な声 住人の女性(80代)「来るときはもう違う人なんですけれども、1週間に1回くらい(来る)。ひどいときは」
近くに住む80代の女性は、たびたび出没する業者に不安を感じていました。
頻繁に現れる“屋根修理詐欺業者”。住人を家の外まで連れ出して話をするといいます。
住人の女性「これじゃあすぐに雨漏りするようになりますよと、脅かすように(言う)」
幸い女性は親族や知人に相談し、詐欺と判断。被害に遭わずにすみましたが、屋根修理詐欺の手口はより巧妙になっています。
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■実在企業名、代表氏名を悪用「憤りを感じる」■実在企業名、代表氏名を悪用「憤りを感じる」
横浜市内に現れた屋根修理を装う男は、動画の中で名前を名乗っていました。
名前を名乗っていた男 男「こんにちはー。株式会社ケンショーのミヤザワといいます」 実在する会社名
架空の会社名かと思いきや、調べてみると千葉県に屋根のふき替えなどを行う「株式会社建翔」という会社が実際にありました。しかも、社長の名前は「ミヤザワ」さんです。
千葉県我孫子市にある本社を訪ねると、取材に応じたのは、株式会社建翔の宮澤信彦代表取締役本人です。
名前を悪用された「株式会社建翔」 宮澤信彦代表取締役 宮澤代表取締役「(Q.動画の人は御社の方?)違いますね」
「(Q.従業員でもない?)はい」
「(Q.屋根修理の訪問営業はしている?)いや、していないです」 訪問営業も行っていない
“屋根修理詐欺男”は、実在する企業と代表の名前を悪用していたのです。株式会社建翔は、悪質な屋根修理詐欺には全く関わっておらず訪問営業も行っていません。
「やめてほしい」 宮澤代表取締役「何回かお客様の方から聞いた。憤りを感じるというか、昔から頑張ってきて(信頼を)積み重ねてきたものなので、やめてほしいです」
これからの時期、注意が必要な屋根修理詐欺。専門家は、警戒を呼び掛けています。
日本住宅性能検査協会 服部順一氏 日本住宅性能検査協会服部順一氏
「“屋根”は自分で確認ができないがゆえに人に任せるしかないという弱みがある。ですからそこにつけ込んでくる。(詐欺かどうか)分からない、判断する基準がないという場合には、例えば私どものように相談窓口を開いているところがありますので、そういうところを積極的に使って、相談してみるのが一番手っ取り早いと思います」
(「グッド!モーニング」2024年6月19日放送分より)
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